穀物

写真提供 : ウェスト・オーストラリア新聞

オーストラリアは、小麦、大麦、そば粉、ソルガム、きび、ライ麦などの穀物の重要な供給国です。オーストラリアとのEPA/FTAによる関税等の削減は、日本国内の穀物セクターの生産性の向上を促すと同時に、消費者にとっては価格の低下というメリットにつながります。
穀物、特に小麦、大豆、大麦の商品価格は急激に高騰するという要因があります。これが2008年の上半期に現実となり、パン、麺類など身近な食品の価格が上昇して家計を圧迫しました。
すでに市場価格が下落に転じ始めた商品作物もありますが、食料価格上昇の長期的な要因は今も影響しています。具体的には以下のようなものが挙げられます。
- 途上国におけるさらなる人口増加。世界の人口は2050年までに92億人に達すると予想されており、これが食糧の総需要増加につながる
- 消費者の嗜好の変化。途上国における経済の発展と一人当たり所得の増加は、一人当たりの食品消費量の増加に加え、肉や乳製品など生産に多くの穀物を必要とする食品の需要増など食生活の変化を招いた
- 燃料価格の高騰が、輸送・流通コストを通じてさらに食料価格を押し上げた
- バイオ燃料の生産に使用するための飼料作物の需要増加
2008年当時は天候不順などの短期的要因も加わり、食料価格上昇をさらに悪化させました。
オーストラリアとのEPA/FTAの下で、オーストラリアから日本への輸出品にかかる関税などの貿易障壁を削減することを通じて、両国間の食糧貿易関係をより強固にし、その結果、日本の食の安全保障を一層強固なものにすることが期待されます。
2008年の日本の穀物輸入のうち、オーストラリアからの輸入は小麦輸入の15.5パーセント、大麦輸入の45.8パーセントを占め、オーストラリアは大麦に関しては最大の供給国でした。大麦はビールや焼酎の製造の他に、飼料の原材料として重要な作物です。オーストラリアの懸念は国家貿易により関税相当分が大麦に課され、畜産農家の原材料費を押し上げている日本の現状です。大麦同様、小麦の価格も国家貿易の枠組みにより押し上げられ、パン、うどんなどの製品の価格上昇の一因となっています。オーストラリアはうどんの原材料となる中力粉用の小麦の重要な供給国です。