よくある疑問・質問

日豪FTAが日本にもたらすメリットは何ですか?
A質の高いFTAによって、日豪両国の経済はさらに密接に結びつきます。それにより、経済成長及び生産が促進され、オーストラリアと日本双方の消費者が物品をより安価に入手できるようになります。二国間で製品やサービスの貿易機会が拡大し、投資も増加します。また、日本はオーストラリアからエネルギー及び食料の供給を確保することができます。
実際、オーストラリアが日本に輸出している農産品の多くは、日本国内の企業活動に欠かせない要素となっています。オーストラリアとのFTAによりオーストラリアからの輸入食品及び農産品に対する関税が削減されれば、日本企業のコスト削減につながり、日本の消費者が支払う食品価格も低下します。また、輸入飼料に頼る日本の農家が払わなければならない必要経費の負担も軽減されます。
日豪FTAは、日本の農業に壊滅的な打撃を与えるのではないですか?
Aいいえ。誇張された表現が時折見られますが、オーストラリアには日本の農業部門を飲み込むほどの輸出余力はそもそもありません。オーストラリアの農業生産は日本よりもはるか規模が小さく、特に金額ベースで見るとその半分以下です。オーストラリアは、食料の純輸出国ですが、水資源や土地資源は限られており、生産量を増やすには実際限度があります。
日本はオーストラリアにとって、最も重要な農産品の輸出相手国です。オーストラリアは、食料やその他農産品の供給を安定的に日本に行うことができるよう支援したいと考えています。
FTA経済効果のモデル分析作業は、FTA交渉開始決定前の2005年に日本政府とオーストラリア政府により共同で行われました。ここでは、オーストラリアの日本への農産品輸出は、日本の多くの人々の予想をはるかに下回り、わずか5%程度しか増加しないと予測しています。
日本農業の基盤であるコメ産業がオーストラリアからの輸入によってダメージを受けることはありませんか?
Aいいえ。日本の平均コメ生産量は年間850万トンを超えています。オーストラリアのコメ産業は小規模で、天候条件に恵まれたピーク時でも年およそ100万トンの生産にとどまりました。これは日本の生産量の8分の1にも満ちません。ピーク時レベルの生産はまたあるかもしれませんが、堅調に輸出するために一定した生産量を確保することは非常に難しいです。2006年から2010年にかけて、オーストラリアのコメの生産量は少なく、日本への輸出はありませんでした。
オーストラリアと日本の農産物の多くは、市場で直接競合するのではないでしょうか?
Aいいえ。日本で生産される農作物とオーストラリアで生産される農作物には同じものもありますが、その多くは異なっており、また異なる形で消費されています。したがって直接の競合はありません。例えば、オージービーフは和牛とは別の購買層に向けて供給されています。またもうひとつの例として、日本輸出向けに特別生産されているオーストラリアの小麦がありますが、この小麦は特定の食品向けで、気候上の理由から日本で栽培ができない品種です。日本のうどんのほとんどがこの特別なオーストラリア産の小麦で作られています。また、オーストラリアは南半球にあり、野菜や果物を日本とは逆のシーズンに生産することができます。
FTAは日本の食料安全保障に悪い影響を与えませんか?
Aいいえ。むしろ逆です。オーストラリアとの貿易関係が深まることは、日本の食料安全保障にとってプラスです。日本は必要な食料の半分以上を輸入に頼っています。オーストラリアとのFTAによって、日本は安全で高品質な食料の信頼できる供給先を確保する努力の一環として、食品分野でオーストラリアと貿易関係を強化できるでしょう。
日本の農業にとり輸入農産品との競争は大変ではないでしょうか?
A他の産業と同様に、輸入品は農業部門に競争上の圧力をもたらします。
しかし多くの食品分野(生乳、高品質果物・野菜、高級和牛など)において、日本の農家が他国との競争に敗れて市場を失う可能性はありません。実際、日本の農家は高品質の農産品を多く輸出し始めてさえいます。
日本にとって、食料を輸入するメリットは何ですか?
Aいろいろなメリットがあります。日本が自国の食料をすべて自給するのは余りに費用がかさみます。また輸入品は消費者により幅広い選択肢を与えます。このような形で、日本の消費者と経済にとって直接的なメリットがあります。
食料の輸入は理にかなっており、高いコスト効果があります。日本の店頭で販売されているオーストラリア産食品の価格には関税や他の税が含まれており、これにより輸入品の価格は国産品と同等にまで引き上げられています。この関税分を撤廃、もしくは削減することは消費者にとって大きな助けとなるでしょう。
輸入食料の品質は、国産品よりも劣るのではないでしょうか?
Aいいえ。確かに日本の国産品は評価が高いですが、オーストラリアの食料品もまた高品質です。また実際特定の麺類やパンを作るには、いくつかの輸入食材が必要です。例えば、日本の麺類やパスタ、パン作りに必要な強力粉用の硬質小麦は、気候が適していない理由から日本で栽培するのが難しい作物です。この種の小麦を日本で生産しようとしても、コストが高く、品質面でも劣ることになります。大半のワイン向けぶどうについても同様です。ぶどうがワイン向けに熟するためには暑く乾燥した夏の気候が必要ですが、日本の気候はこれとは異なります。
農産品や食料の輸入には他にどのようなメリットがありますか?
A消費者と経済全体にとってのメリットが挙げられます。食料の輸入は、日本の食料安全保障を確保すると共に、低価格でより多くの選択肢の提供につながります。
(意外かも知れませんが)日本の農家もまた、国内で安くは生産できない飼料や他の農業に欠かせない要素をより安価に入手することができます。
製麺や乳製品、ビール会社やコンビニ、ファーストフードなど、輸入食材を使って加工食品を生産している日本の業者も、オーストラリアからの輸入食品の恩恵を受けています。これはより多様で、より供給が安定した低コストの(しかし高品質で安全性の高い)生産へのアクセスを意味します。
牛の飼養場経営などオーストラリアに拠点を置く日本企業は、ちょうど日本の電子機器企業が海外生産でメリットを得るのと同じように、対豪投資を通じてメリットを享受しています。例えば日本に輸出されるオージービーフの半分以上は、オーストラリアで日本企業が運営する農場から来ています。これらの企業は日本人の好みに合うように、高品質で安全な牛肉を生産しています。
日本の商社もまたオーストラリア産の穀物、牛肉また他の農産物を国際市場で取引することで利益を得ています。
日本の食品輸入業者は多くの種類の食品を取り扱うことで利益を得ており、その結果多くの日本人の雇用が生み出されています。
旱魃によりオーストラリアからの食料供給の安定は悪い影響を受けますか?
Aオーストラリアは比較的乾燥した国であるため、どう旱魃に対処するかという点でこれまで実に多くの経験をしています。また、オーストラリアには様々な地理的条件が地域ごとに存在するため、ある地域が旱魃の影響を受けても、他の地域では同時に影響を受けないということが起こり得ます。オーストラリアは人口が少なく、効率的な生産のシステムが存在するため、季節における気候的条件にかかわらず、信頼できる形での食料の輸出が行えます。例えば、国内の一部で旱魃は2002年から続いていますが、その間もオーストラリアは日本の牛肉輸入の約90%を供給し、穀物を安定的に供給してきました。
輸入関税などの税は日本の農家の保護に役立っているのですか?
A日本の国境措置はある程度国内農業部門を保護していますが、そのために消費者が食料に多くを払うというコストが生じています。また、手厚い援助や保護により、日本の農家は生産性を向上させようとする誘因を持てずにいます。高価な農産品や手厚い保護にも関わらず、日本の農業生産は今も衰退しています。これは競争がもたらすダイナミズムが欠如していることと農村の高齢化と農地転用の増加が原因です。国際的な競争に身をさらすことで日本の農業はより強くなり、国際経済において競争力を高め、日本の食品自給率を向上させることができます。
日豪FTAによって、日本の酪農業は致命的な打撃を受けるのではないでしょうか?
Aいいえ。日本の牛乳生産のうち約6割は飲用乳であり、オーストラリアから生乳を日本に出荷するということは、経済的ではありません。日本の酪農業のかなりの部分は、事実上競争から隔離されています。オーストラリアはすでに、日本での加工のためにチーズを多く供給しています。国内メーカーは多少の調整を行う必要がありますが、日本の酪農業は、牛肉産業と同様、輸出競争の中で生き残っていくと思われます。
経済モデルによるとFTAの影響はどのようなものですか。
AFTAの影響のモデル分析は、FTA交渉の決定がされる以前に、2005年に日豪両政府によって行われました。この分析によると、日豪FTAの締結により両国のGDPが相当増大すると試算されました。同時にオーストラリアの農産品の対日輸出は当初の日本側の予測を大幅に下回る5%増に留まることがわかりました。